知念に「ニライカナイ橋」という橋があります。海がよく見える、気持ちのいい場所です。 ただ、ニライカナイは橋の名前ではありません。
WHAT IT MEANS
海の彼方、あるいは海の底
ニライカナイは、場所ではなく「他界」です。 海の彼方、あるいは海底や地底にあるとされてきました。
ニライと単独でも使い、カナイはニライの対句表現です。二つで一つの言葉になっています。
神々はそこから来訪して人々を祝福し、また帰っていくと考えられてきました。 いつもそこにいるのではなく、訪れて、帰る——その往復が信仰の形です。
そこからもたらされるものを ユー(豊穣・幸)と呼びます。
出典:南城市『なんじょうデジタルアーカイブ 歴史文化語彙一覧』/『南城市の御嶽』第6章 用語解説
THREE THINGS
三つ、知っておくと海の見え方が変わります
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五穀は、ニライカナイから流れ着いた
久高島の伊敷浜に、五穀の種子の入った壺が漂着したと伝えられます。 この浜はニライカナイとの接点と考えられている場所です。 穀物は人が見つけたのではなく、あちらから贈られたものだという考え方です。
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台所の火の神も、ニライカナイから来た
各家の台所に祀られる火ヌ神——その原郷がニライカナイであることを示す資料があります。 海の彼方と、家の台所が、一本でつながっています。
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もう一つの他界がある
オボツカグラといいます。 ニライカナイが「水平」——海の彼方の他界であるのに対し、オボツカグラは「垂直」——天の上の他界です。 『おもろさうし』に対語として多数出てきます。
出典:同上
WHY THE BRIDGE HELPS
橋は、入口として、とても良い場所です
ニライカナイ橋は、誰でも行けて、料金もいらず、車を停められて、海がよく見えます。 御嶽のように作法を気にする必要もありません。
つまり、この土地でいちばん入りやすい場所です。
ニライカナイは、海の彼方、あるいは海底、地底にあるとされる他界のこと。 ニライと単独で使われることもあり、カナイはニライの対句表現です。
そして『南城市の御嶽』は、久高島の伊敷浜について 「太陽が昇り出るところのニライカナイに一番近い」と書いています。 ニライカナイは、日が昇る側と結びつけて語られてきました。
この橋からは、その東の海が見えます。
出典:南城市『南城市の御嶽』2018
/ 用語解説89「ニライカナイ」470ページ / 131ページ
※ 橋の正確な向きと、この名がついた経緯は、まだ記録を確認できていません。
橋の上に立って、「この海の先に、神々の世界があると考えられてきた」と一度知る。 それだけで、このあと訪ねる御嶽の見え方が変わります。だから、ここから始めるのが良いのです。
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久高島の伊敷泊(浜)は、海の彼方のニラーハナーへの遥拝所とされてきました。その場所へ行かず、方角に向かって拝む——これを「ウトゥーシ(遥拝)」といいます。ニライカナイは、そもそも誰も行けない場所です。だから昔から、遠くから拝まれてきました。
ウトゥーシを詳しく読む